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ビジネス会計検定2級とは?
ここでは、そもそもビジネス会計検定とはどんな資格か、試験の出題範囲や合格基準、難易度について説明いたします。
どんな資格?目的や難易度を簡単に解説
ビジネス会計検定とは、企業の財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)を正しく読み解き、経営状況を分析する力を養うことを目的とした検定試験です。大阪商工会議所が主催しており、2006年の開始以来、企業の会計リテラシー向上を支援する資格として注目されています。
2級は「ビジネスパーソンが実務で財務諸表を使い、基本的な経営分析ができるレベル」を想定しています。特に、簿記検定が仕訳や帳簿作成などの”作る”側の知識を問うのに対し、ビジネス会計検定は財務諸表を”読む・使う”視点を重視しており、計算問題に加え理論的な知識や解釈力が求められます。
実務に直結したスキルが身につくため、経理・財務部門に限らず、営業職やマネジメント層にも人気の資格です。また、簿記2級や3級の知識と組み合わせることで、財務会計スキルの総合的な理解につながります。
試験の出題範囲と合格基準
出題範囲は以下の3分野となります。
- 財務諸表の基礎知識
- 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書・包括利益計算書・株主資本等変動計算書の理解
- 財務分析(収益性・安全性・効率性など)
試験は100点満点で、70点以上が合格。マークシート方式で記述式問題はなく、4択または5択の選択式で出題されます。試験時間は120分です。
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合格率の傾向からみる難易度

過去の合格率はおおよそ約40%〜60%前後で推移しており、一定の学習時間を確保し、出題傾向に沿った対策をすれば独学でも十分に合格が可能です。
ただし、会計や簿記の基礎知識がない場合は、財務三表の構造や専門用語の理解にやや時間がかかる可能性があります。

逆に、簿記3級以上の知識がある方は、スムーズに学習を進めやすいのが特徴です。
ビジネス会計検定2級に必要な勉強時間の目安

一般的な合格までの勉強時間は?
ビジネス会計検定2級に合格するために必要な勉強時間は、一般的に100〜200時間が目安とされています。この時間は、まったくの初心者からスタートして、合格ライン(70点)を超えるために必要な学習量を想定しています。
ただし、個人のバックグラウンドや学習方法によって必要時間は前後します。例えば、会計や簿記に触れたことがある人であれば100時間未満でも合格が可能ですが、まったく初学者の場合は150時間以上の学習時間を確保した方が安心です。
また、ビジネス会計検定は財務諸表を”読む”力が問われるため、インプット学習だけでなく、実際の問題を解いてアウトプットする練習も重要になります。
独学・通信・通学別の勉強時間比較
ビジネス会計検定2級は独学でも十分に合格可能ですが、学習スタイルによって必要な勉強時間や効率は大きく異なります。


独学は費用を抑えられる反面、モチベーション維持と理解力に工夫が必要です。一方、通信や通学講座はコストはかかりますが、学習時間を短縮しやすくなります。
ビジネス会計検定2級講座→弥生カレッジCMC
初心者・簿記経験者・経理実務者のケース別目安
学習者のレベルに応じて、必要な勉強時間は次のように変わります。
⇒財務三表の構造、会計用語の意味から丁寧に学ぶ必要あり。
⇒会計用語や財務分析の公式などに対してアレルギーはない。
⇒損益計算書・貸借対照表などの理解があるため、学習がスムーズ。
⇒実務経験により分析力が備わっているため、理論部分の復習中心で済む。
このように、自分のバックグラウンドを踏まえて、適切な学習計画を立てることが合格への近道です。特に忙しい社会人は、週単位でのスケジュール管理が重要になるでしょう。
実体験:私が合格までにかかった勉強時間と方法
実際に私が使った教材や、勉強方法、学習スタイルについてお伝えしたいと思います。
私のバックグラウンド(3級合格)
私はビジネス会計検定2級を受験する前に、ビジネス会計検定3級に合格しておりましたが、簿記の知識は全くありませんでした。会計や財務の実務経験はなく、営業職として一般的な会計書類に触れる程度の知識レベルでした。そのため、「財務諸表の見方は知っているが、深い分析までは経験がない」という状態からスタートしました。
このような背景から、私は「実務未経験者」として、独学で2級にチャレンジしました。
使った教材・学習スタイル(独学 or 通信など)
学習スタイルはハイブリッド独学です。使用した教材は以下の通りです。
- 『公式テキスト(ビジネス会計検定試験2級)』
- 『公式問題集(過去問題+予想問題)』
- インプット用として弥生カレッジCMC講座
公式テキストは図解が豊富で、用語もわかりやすく解説されているため初心者にもおすすめです。問題集は過去問を中心に構成されており、本番の出題傾向に沿っているため非常に実践的です。
毎日の勉強方法
私の勉強スケジュールは、平日1時間、週末は2〜3時間を目安に学習を進めました。
- 月〜金:通勤時間または帰宅後に1時間分、公式テキスト+公式問題集でインプット+アウトプット
- 土曜・日曜:午前中に1時間ぐらい、1週間分のテキスト復習+午後に1週間分の2時間問題演習
学習のポイントは「インプット4割:アウトプット6割」のバランスでした。公式テキストで基礎を固めたら、その範囲を早めに問題演習に移行し、出題パターンに慣れることを意識しました。
また、重要な用語や財務指標(ROE、自己資本比率など)はノートにまとめ、毎日5分でも見返す習慣をつけて、記憶の定着を図りました。
結果的にかかった総勉強時間と感想
最終的に私がビジネス会計検定2級合格までにかけた総勉強時間は約130時間でした。
- 1日平均:約1.7時間
- 期間:2.5ヶ月(平日+週末型)
結果は86点で合格。独学でも合格は十分可能であり、教材選びとスケジュール管理がポイントだと実感しました。
感想としては、「簿記とは違い、財務諸表を読む力・分析する視点が養われたこと」が非常に有益でした。数字の意味や、企業の経営状態を読み取る力が身についたのは、他の資格試験では得られないビジネス会計検定ならではのメリットだと感じます。
これから受験する方は、自分のレベルに合わせて勉強時間を調整し、過去問を中心に繰り返すことで合格を目指せるでしょう。
より詳しい勉強方法はこちら
ビジネス会計検定2級 合格のための勉強スケジュール例

ビジネス会計検定2級に合格するためには、勉強時間だけでなく「どのようにスケジュールを組むか」も非常に重要です。ここでは、目標勉強時間別・ライフスタイル別に3つのスケジュール例をご紹介します。ご自身の生活に合ったスケジュールを参考にしてください。
いずれのスケジュールにおいても、「インプットだけで満足しない」「必ずアウトプット(問題演習)に時間を割く」ことが重要です。ご自身のライフスタイルとレベルに合った勉強時間の確保が、合格への最短ルートになります。
1ヶ月で50時間時間×3か月で合格するスケジュール
もっとも標準的でバランスの取れた学習ペースです。週10〜12時間の学習で、合計約150時間を確保できるため、初心者でもしっかり理解を深めながら合格を目指せます。
スケジュール例
- 公式テキスト+公式問題集で一巡する
- 財務三表(PL/BS/CF)や財務分析指標の用語を暗記
- 週10時間(平日1時間×5日、週末2.5時間×2日)
- テキスト例題や問題集の章末問題を解きながら復習
- 財務分析の問題演習に慣れる
- 過去問を2〜3回繰り返す
- 苦手分野を重点的に復習

このペースなら、無理なく理解と定着を両立できます。ビジネス会計検定2級の勉強時間の「王道パターン」といえるでしょう。
社会人向け:平日忙しい人の週末集中型プラン
仕事や家事で平日は時間が取れない方におすすめの「週末集中型」学習スタイルです。
スケジュール例(約3ヶ月・150時間)
通勤や昼休みに30分〜1時間程度、インプット中心(テキスト、音声講義)
- 午前:1.5〜2時間テキスト復習+講義動画視聴
- 午後:2〜3時間問題演習(過去問・問題集)
このスケジュールでも、週10時間の確保ができれば3ヶ月で合格ラインに達します。重要なのは、週末にしっかり時間を取ることと、平日に少しでも学習リズムを維持することです。

週末型であればインプット補助のため講座受講をお勧めします。
短期集中型:1か月で受かるスケジュール例(簿記経験者向け)
簿記2級・3級の学習経験があり、財務三表や指標にある程度慣れている方なら、短期集中で合格を狙うことも可能です。
スケジュール例(1日2〜3時間 × 30日=約80時間)
1日2〜3時間で1章ずつ読み進め、全体像を把握
分析指標や出題パターンに慣れる
問題演習と復習をおりまぜて繰り返す
この1ヶ月集中プランは、会計知識がある方におすすめですが、時間管理と集中力が求められます。逆に言えば、効率的に学べれば短期間での合格も十分可能です。
勉強時間をムダにしないための学習のコツ

ビジネス会計検定2級の勉強時間をムダにしないためには、限られた時間の中で効率的に成果を出す「勉強の質」がカギになります。
ここでは、独学でも合格を目指せる実践的な学習のコツをご紹介します。
インプットとアウトプットのバランスは4:6
「テキストを読むだけ」「講義動画を観るだけ」では知識は定着しません。理解したつもりでも、実際に問題を解いてみると答えられないことがよくあります。
- インプット(理解)4割:テキスト・講義動画・ノート作成など
- アウトプット(演習)6割:問題集・過去問・模擬試験など
インプットで基礎知識を習得したら、すぐに問題演習に取り組むことで知識が整理され、記憶にも残りやすくなります。
特にビジネス会計検定2級は「知識の理解」より「実務への応用力」が求められるため、アウトプット重視が合格への近道です。
過去問は最終段階、問題集は随時
よくある質問が「ビジネス会計検定2級は過去問だけで合格できる?」というものですが、答えは「過去問だけでは不十分」です。過去問はあくまで総仕上げとして使うべきで、まずは基礎を固めるための問題集が重要です。
- テキストで用語と基本的な考え方を学ぶ(1〜2週間)
- 問題集で章ごとの理解度を確認(随時)
- 過去問は試験0.5ヶ月前から集中演習(2〜3回転)
問題集は間違えた問題にマークをつけ、復習に活用しましょう。間違いの原因を理解しておくことで、同じミスを防げます。
挫折しないモチベーション維持
ビジネス会計検定2級の学習は数ヶ月にわたるため、途中でモチベーションが下がることもあります。特に独学の場合は「誰にも見られていない」ことが大きな落とし穴に。
以下のような工夫で、継続しやすい学習環境を作りましょう。
- 毎週の勉強記録をつける(ノート・アプリ・SNSなど)
- 学習目標を週単位・月単位で設定する
- 合格後のメリットを明確に意識する(昇格、転職、スキルアップ)
- 勉強仲間と情報交換する(X(旧Twitter)や勉強コミュニティ)
「今日やらなくてもいいか…」を積み重ねると、学習計画が崩れ、挫折につながります。小さな達成感を積み重ねながら、学習を習慣化していくことが合格の秘訣です。

勉強時間は限られています。だからこそ、ムダのない戦略的な学習を心がけて、合格への道をしっかり歩んでいきましょう。
まとめ|自分に合った勉強時間とスケジュールを立てよう
ビジネス会計検定2級に合格するためには、平均して100〜200時間程度の学習時間が必要とされますが、これはあくまで一般的な目安です。実際の勉強時間や進め方は、あなたのバックグラウンド(簿記経験の有無や業務知識)や学習スタイルによって大きく変わります。
- 簿記経験者・経理経験者:比較的短期間(100時間>)での合格も現実的
- 初学者・未経験者:基礎固めに時間をかけ、150時間以上を見込むのが無難
- 独学か通信か:ライフスタイルや性格に合った方法を選ぶことで、継続率がアップ
- 「毎日少しずつ」より「無理のない範囲で継続」が大事
- 1日の勉強時間を無理に詰め込まず、週単位で調整する
- 試験0.5ヶ月前には過去問で総仕上げする計画を立てる
ビジネス会計検定2級の合格は計画的な努力で十分可能です。
ビジネス会計検定2級は、難易度が高すぎる試験ではありません。正しい教材を使い、自分に合った勉強スケジュールを立て、必要な勉強時間を確保すれば、独学でも十分に合格可能です。
「なんとなく勉強する」のではなく、ゴールから逆算して「いつまでに何をするか」を明確にしておくことが、効率的な学習につながります。
ぜひこの記事を参考に、あなた自身のライフスタイルや目標に合ったスケジュールで、ビジネス会計検定2級の合格を目指してみてください。
この記事が「ビジネス会計検定2級 勉強時間」や「独学スケジュール」「短期合格プラン」などの参考になりましたら幸いです。
本当にありがとうございました。
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