「簿記3級の試験、時間が全然足りなかった…」
そんな声をよく耳にします。実際、簿記3級の試験は制限時間が厳しく、問題をすべて解き切れずに焦ってしまう受験者も少なくありません。特に独学や短期間での合格を目指す方にとって、「時間配分」は合否を分ける重要なポイントです。
この記事では、試験時間が足りないと感じる理由やスピードアップのための具体的な対策法、短期合格を目指す人向けの効率的な勉強法について詳しく解説します。
忙しい中でも合格を狙いたいあなたへ。時間の壁を突破するヒントがきっと見つかります。
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簿記3級の試験時間と問題内容

簿記3級の試験時間は60分。出題は大問3題で構成され、配点は各大問で異なります。制限時間内に全問解答するのは想像以上にタイトで、時間との戦いになります。
- 大問1(45点):仕訳問題が15問出題。1問3点。
- 大問2(20点):補助簿・勘定記入・帳簿の読み取りなど。
- 大問3(35点):決算問題で、集大成的な総合問題。
このような時間感覚を意識し、過去問や模擬試験の中で身につけていくことが重要です。また、難問に時間をかけすぎないよう、ある程度の見切りをつける判断力も求められます。
練習で出来なければ本番でも出来ない
簿記3級は実戦型の試験です。本番で慌てないためには、普段の練習で本番と同じ意識で取り組むことが不可欠です。
本番で必要なのは「60分以内に合格点を取る」こと。このスキルは、知識を詰め込むだけでは身につきません。
実際の合格者の多くは、模擬試験や過去問を繰り返し、本番と同様の条件での演習を通じて「時間内に解き切る力」を養っています。

過去問や模試を実施し、確実に時間内に完答できるレベルまで仕上げましょう。
模擬試験や過去問で“60分”を意識
演習時からタイマーを使って、実際の試験時間と同じ60分を意識しましょう。解く順番や時間配分の感覚を身体に染み込ませることで、本番でも焦らずに対応できます。

テキストや問題集では理解を優先し、模試では完答を意識しましょう。
タイマー学習で時間管理を習慣化
学習の際は必ず時間を区切り、タイマーで管理する習慣をつけましょう。「問題を読む→仕訳を考える→記入する」という一連の流れを、短時間で処理する訓練を積むことが重要です。

問題を読みながら同時に仕訳を書けるということです。
同じ問題を繰り返すことで処理の自動化
1度解いた問題でも、2回目・3回目と繰り返すことで、処理手順が身体に定着し、自動化されます。これは「考える時間を削減する」ために非常に効果的です。
例えば、仕訳問題では「この取引は借方〇〇、貸方△△」という判断を瞬時に下せるようになります。このスピードが、全体の時間短縮につながります。
本番意識の演習で“問題処理の型”を身につける
毎回新しい問題に取り組むより、同じ問題を解き直す方が、処理手順の型が身につきやすくなります。これにより「問題を見たらこう動く」という反応が自然とできるようになり、試験本番での時間ロスを最小限に抑えることができます。
合格者の多くは“繰り返し解いた問題”で合格点を確保しています。インプットよりもアウトプット中心の学習に早めに切り替え、処理のスピードと正確性を鍛えることが合格の鍵です。
基本を完璧にする
短期合格の最大のコツは「基本を完璧にする」ことです。仕訳や主要勘定科目、貸借対照表と損益計算書の構造など、基本的な知識に穴があると、応用問題でもつまずきます。
おすすめ講座(短期間でインプット)
短期間で効率的に学ぶには、動画講座の活用が有効です。
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動画で一気に全体像を掴み、その後に問題演習へと移行すると効率的です。
インプットの時間短縮に、講座受講は有効的です。
おすすめ独学教材
独学なら、以下のような書籍が使いやすく人気です。
★スッキリわかる 日商簿記3級(TAC出版):イラストが豊富で理解しやすい。
★みんなが欲しかった 簿記の教科書(TAC出版):試験に出る要点が凝縮。
★よくわかる簿記シリーズ(ネットスクール):過去問に強い構成。
テキスト→例題→練習問題→模試の順で繰り返すのが効果的です。
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短期合格のための時間を有効に使う
短期合格には、時間の「密度」を上げることがカギです。限られた時間を最大限に活用しましょう。
電卓のブラインドタッチは必要ない
電卓をブラインドタッチで操作できる必要はありません。それよりも、ミスなく数字を正確に入力する練習が重要です。簿記3級の試験で必要な計算は四則演算が中心であり、スピードよりも「確実性」が求められます。
電卓操作に慣れるためには、毎日の演習で実際に手を動かし、入力ミスをしないことを意識しましょう。桁を読み間違えたり、符号(プラス・マイナス)を間違えたりする方が致命的なので、まずは“丁寧かつ速く”を意識した練習が有効です。

ブラインドタッチを練習する時間がもったいないです。
その時間を、問題演習にあてることで解答時間の短縮ができます。
大問2の補助簿はテキストで覚えない
補助簿(仕入帳・売上帳・現金出納帳など)の内容は、テキストで丸暗記するよりも、実際の問題演習の中で使い方とパターンを理解する方が圧倒的に効率的です。
補助簿は「何の取引が、どの帳簿に記録されるか」という仕組みを理解すれば、自然と対応できるようになります。例えば、仕入帳に載せるのは仕入取引のみ、現金出納帳には現金の動きだけ、といった基本ルールを問題を解きながら覚えましょう。
問題を通じて「出題パターン」に慣れておくことで、スムーズな処理が可能になります。
わからない論点で止まらない
本番の試験では、1問に固執して時間を使いすぎると、他の問題を解く時間が足りなくなるリスクがあります。特に初見の形式や苦手な論点が出たときは、無理に粘らず“いったん飛ばす”判断が大切です。
簿記3級は70点取れば合格です。全問正解を目指す必要はありません。わからない問題に時間を使うより、確実に点を取れる問題を確実に処理する戦略が、短期合格には欠かせません。

演習時から「迷ったら後回しにする」という習慣をつけ、本番でも冷静に判断できるようにしておきましょう。
試験時間が足りない対策(アウトプット)

時間が足りない場合の最大の対策は、“解く訓練”を積むこと。特に本番に近い形式で繰り返し演習を重ねることが重要です。
大問の解答順序
基本は大問1→3→2ですが、自分に合った順序を見つけておくと安心です。また大問ごとの時間配分も徹底しておくことが重要です。
仕訳問題のスピード
毎日10〜20問の仕訳練習を継続しましょう。同じ論点を何度も繰り返すことで、仕訳のスピードは格段に上がります。
取引内容を見た瞬間に「借方・貸方」を判断できる反応速度を鍛えることが、全体の処理時間短縮に直結します。
決算問題のスピード
決算整理仕訳や試算表作成など、よく出るパターンを反復練習することが重要です。
問題文の“指示に沿って処理する力”を養い、「この項目はどこに転記されるか」を瞬時に判断できるようにしましょう。
捨て問を想定する
すべての問題に時間を割くのは非効率です。難問・奇問は飛ばす判断力も短期合格には必要です。合格ライン70点を確保する戦略を立て、得点源となる問題を見極める眼を養いましょう。

特に大問2は、分かる箇所から解いていきましょう。
勘定科目や数字の省略化
練習時には略語や数字の省略でスピードを意識。「現金→現」「売掛金→売×」など、自分なりの省略ルールを作っておくと、記入作業の時間短縮になります。

ただし、試験前にいきなり省略化を始めることは危険です。練習の段階から慣れておきましょう。
大問毎の見直しをしない
本番は1問に見直しの時間を割く余裕がありません。最初の解答で“ほぼ正確に仕上げる”癖をつけましょう。模試でも同じ条件で演習を繰り返すことで、本番への対応力が高まります。

特に大問3単体での見直しをすることは止めましょう。間違えていた箇所があっても、芋づる式に不正解になるわけではありません。

例えば、大問3を単体で見直し、BS表の左側と右側の合計が合わない、また一から大問3を解きはじめ、大問2を解く時間は確実に無くなります。
思考時間をなくすレベルに仕上げる
最終的には「問題を見た瞬間にどう処理するか」を自動的に判断できる状態を目指します。これは“思考する時間”を限界まで短縮し、処理をパターン化することを意味します。
そのためには以下の取り組みが有効です。
- 出題頻度の高い論点を徹底的に演習し、対応パターンを身体に覚え込ませる
- 「〇〇という指示が出たら、△△に記入」といった処理ルールを明確化する
- 問題を解く→間違える→すぐ復習→再演習というサイクルを短く繰り返す
処理を習慣化し、手が勝手に動くレベルまで練習することで、試験本番でも時間に追われることなく安定した得点が狙えます。
まとめ

簿記3級は一見すると基礎的な内容の試験ですが、試験時間が短いため、事前準備が甘いと不合格になるケースも少なくありません。
しかし、正しい方法で学習すれば、短期間でも十分合格は可能です。特に重要なのは、「時間配分の意識」「アウトプット中心の学習」「迷ったら飛ばす判断力」の3点です。
この3つを意識するだけでも、学習の質が飛躍的に高まり、限られた時間の中での成果を最大化できます。
また、簿記3級は満点を取る必要はありません。70点を確実に取ることを目的とし、完璧主義になりすぎないことも短期合格の大事なポイントです。
あなたが目指す短期合格には、「やるべきことを明確にし、最短ルートで取り組む姿勢」が何よりも大切です。この記事が、あなたの効率的な学習と合格への一助となりましたら幸いです。
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